僕が社長になるまで。

5年後に起業を志す27歳の若者が会社を立ち上げ、社長になるまでの記録です。

悔しくて眠れない夜

医療系のインターネット・サイトを作ろうと思って日々、真太とアイデアを議論したりサイト制作における工程、資金面等を試算しています。

 

ですが現実を伝えるなら、医療業界という対象の壁が想像以上に高く、アイデアを練るも法律や情報信憑性の課題で僕たちの思い描くサイト制作は企画段階から練り直しになってしまって、思うように進みません。

 

医療社会に貢献する。その熱意だけでは何も始まらない。医療に関して無知の素人が医療従事者や患者の役に立とうなど簡単な事ではないという現実がたまらなく悔しいです。

 

僕と真太は「医療従事者の方達をテクノロジーで支え、激務で疲弊する事なく、患者の治療だけに専念できる世界を創れればいいよね」そんな思いを持っていて、医療業界を対象とするITベンチャーを設立する目標を掲げています。

でも現実は厳しいものばかりです。調べれば調べるほどに自分たちの無知、世間知らずが浮き彫りになり、また考える、また頓挫。諦めない。また考える。を繰り返して何も考えたくない程、脳が疲れてしまいます。

 

そして、医療社会に貢献するという熱意だけで突っ走っているように思われがちですが、ビジネスマンとして高い成果を出してきた訳でもない僕や真太には「経営」で人よりも抜きんでた腕と感性を磨くしか先は無いという事も二人とも認識しています。

 

木曜日の夜、人材業の本業が終わって帰宅しても食欲が全然湧きませんでした。でも理由は明確です。

人の為に真っ当で誠実な会社を作る。

そんな想いがあっても自分達は無知じゃないか。お金も人脈も無い。世間知らずの若者じゃないか。自分達に力が無い事を知りながら、努力をしなかった。その現実に心が押し潰されそうになっていたから。

真太もきっと、技術者(エンジニア)としての自分の能力不足を痛感していると思う。いつも冷静で「そーゆうときもあるさ」って余裕を見せるタイプだけど、責任感もちゃんと自責で受け止められる奴だから。

 

 

「何の為に起業をするの?」「何の為にわざわざ苦しい道を歩むの?」

「会社員やってた方がいいじゃん。」「できるわけねーじゃんお前ら何かに。」

 

これは実際に言われた言葉です。

 

僕たちの起業への物語は、まだまだ始まったばかりで、これらの非難、否定にはこれから成長していけば更に強くなる事もあるだろうし、向き合い続けることになると思います。

 

在籍している人材サービス会社に入社する前、転職活動で受けた某インターネット広告代理店の面接で、自分達は「優秀」で「働く」という事を高いレベルで知っているアピールを1時間ぐらいされました。

何なんだこの人達って正直に思いました。「自分は国内No。1の広告代理店で働いてた事があって」、また別の人間は「自分はこの年齢でマネージャーやってまして」

 

だからどうしたんだよ。それが、そんなに偉い事なのか。

この人達からは熱さを全く感じませんでした。

 

僕たちはそんな「出世」や「キャリア」や「お金」や「地位」や「会社の名前」なんて気にして目標に向かおうとしているんじゃない。

世の中に新しい価値を生み出して人の役に立ち、喜ばれたい。困っている人や悩みを抱えている人に手を差し伸べて暗闇の世界から救い出してあげたい。

自分たちの富の豊かさや名声、プライドなんてどうでもいい。

 

そりゃ、会社員でいる方がローン組めるし、社会的にも安心される存在なのは決まってる。このまま大きな会社で人材サービス社員やってる方が将来安泰かもしれない。

そんなの今更言われなくなってわかってる。

 

でも、「新たな価値を創造の追求し、人々の幸せを最大化する」という僕たちの、僕たちだけの目標があって起業を今も目指しているんだよ。

医療社会を医療従事者と共にもっと良い社会へ変えていきたいという想いがあるから起業を目指しているんだよ。

 

お金がどれだけあっても、仕事がどれだけ出来ても命は救えない。難病は治せない。

医療従事者の方達をバックアップして、従事者の方達が持てる力を最大限に発揮してもらえる環境をITの力で実現し、サポートしていきたい。

 

ただただ、真っ直ぐ、人の為に。人を救えるなら泥水だって啜えるし、ハードに働くのだって容易い。

 

会社は作って、失敗して、逃げ道が無くなって、最終的には形式上、ちゃんと片付けして潰すだけでも何百~何千万円のお金がかかるんだよ。

その気持ちが無かったら、わざわざ起業なんて地獄の思いをしたがる人がどこにいる。

 

そんな思いや記憶、現実の進捗が頭の中で色々複雑に交差して、何とも言い難い悔しい夜だった。

帰宅中も自分の無力さや頭の悪さに奥歯を噛みしめている自分がいた。

 

 

その夜、僕はついに一睡もできなかった。